番外編 No.019
「夕刻のEF65-535鹿島貨物」 幡谷踏切

成田線 滑河〜久住

 「自分は客レ派」と言いつつも、時々撮っていた貨物列車。他の被写体を待っている間、把握していなかった原色貨物が来てラッキー等と贅沢なことも言えていた時代だったが、その頃であっても周りの影響を受け高機EF65の運用は気にかけていた。特に535号機は扱いが特別で、運用によってはその1枚のために1日かけて出かけることもあった。

 約20年前の3月、この日は鹿島貨物の73レ〜1456レにEF65-535が充当予定だった。この時期の1456レは成田線まで行けば夕方の斜光で撮れる。特に幡谷踏切は美しい半面光線となり、P型を撮るにはもってこいの場所。73レは財源なしで単機の日だが、1456レだけでも行く価値は充分にあると考え、電車を乗り継いで現地へ向かった。

 時々、地平線付近にある雲に太陽が隠れる瞬間もあったが、天気は晴れベース。練習の普通電車は晴れたり曇ったりの結果だったが、本番前には大きな雲は抜けた。それでも久住駅場内の信号によっては停まるような速度で来る場所のため、列車が見えても切り位置まで安心は出来ない。

 いよいよ踏切が鳴り、ライトが見える。歩くような速度で近づいて来る列車と太陽方向の空を交互に見ながら、祈る気持ちで時を待つ。太陽に迫っていた千切れ雲はまだ距離がある。残り3スパンの頃に覚悟を決め、ファインダーを覗き込んだ。

 鼻筋がくっきりと浮かび上がり、飾り帯が光り輝く。最も美しい角度で照らされたP型がゆっくりと走り去った。