キハ40系 No.046
「公園の桜と根室本線」 布部石綿公園

根室本線 布部〜山部

 あまりイメージの無い、北海道色と桜の組み合わせ。キハに限らず道内では桜の撮影地が少ない気がするが、ここ数年は金山ダムで桜が撮れることが話題として広まり、釧路の色物キハの編入も合わさったことからシーズン中は大変な賑わいを見せていた。

 そんな金山ダムからわずか数駅、布部駅の近くにも線路脇に桜が咲く場所がある。車体にケーブルが当たるため満点とは言い難いが、小さな遊具が並ぶ公園の雰囲気と背景となる空のバランスが非常に気に入ったため、一度だけ撮影に臨んだことがあった。

 この日は金山ダムの桜を撮るべく、満開予想時期の晴れ日に合わせて前夜より道内入りした。日の出と共にくっきり浮かび上がる芦別岳……とはいかず、山頂に残る雲に多少は難儀したが、午前便ラストまでには雲も消え、納得の状態で収めることができた。

 メインを撮り終え、午後は事前に目を付けていた公園のアングルへと移動する。まだ色物が編入する前なので、どの便も白キハであることは確定。北海道色と桜の組み合わせを撮りたい身からすれば安心できる条件の下、数時間後の列車に供えて三脚を立てた。

 道内でも日中は春の陽気が漂い始める5月中旬。すっかり生い茂った芝生と、やっと咲いた桜が美しい昼下がりの公園。いつもの時間に、いつもの色が通り過ぎる。