キハ40系 No.041
「晩夏の田園と磐越西線」 野沢屋敷俯瞰

磐越西線 野沢〜上野尻

 線磐越西線のほぼ全区間、何度も交差を繰り返しながら並走する国道49号線。当然、道から撮れる有名撮影地も何ヶ所かあり、新津キハ撮影の際にも通らない日が無いと言っても過言ではないくらい、非常にお世話になった道だった。

 本来、鉄道写真では道路等の余計な人工物は出来るだけ写さず、可能ならば構図から排除するのが定石だ。しかし場所によっては構図内に流れを与えてくれる等、良い働きをする場合もごく稀に存在する。今回の場所はその極稀なパターンが該当する、国道が堂々と写る割にはあまり嫌に感じない珍しい場所だった。

 この日は夏風景の新津キハを撮りに、朝から沿線を行ったり来たりしていた。慌しい午前の撮影を終え、ゆっくりとした午後の時間を過ごす。特に理由もないが、なんとなく気の向くままに野沢の俯瞰へと向かった。

 夏も終わりに近付き、少しずつ色付き始めた田んぼが風に揺れる。ハイシーズンではない日常風景の中、普段通りの青青編成が走り抜けた。