キハ40系 No.026 
「仲秋の阿賀野川と磐越西線」 麒麟山俯瞰

磐越西線 鹿瀬〜津川

 少し辛口ながらも飲みやすく、地元を中心に長年愛される日本酒、麒麟山。その名の由来にもなった山からは、棒掛山や飯豊連峰、鹿瀬の街並み、そして磐越西線を見下ろすことができる。ちょうど光線的にも227Dの追っかけ先としても最適で、春夏秋冬、幾度なく訪れた場所だった。

 そろそろ飯豊に初雪の知らせが来るか来ないかという頃、急行色同士が組まれた状態でしばらく定期運用に流れた。急行色コンビが走るとなれば、多少の無理をしてでも行くのは当然。運用と天気予報を照らし合わせつつ、可能な限り休みを申請して足を運んだ。

 この日は磐越西線の222D〜227D充当予定日、快晴予報が出ていた。朝一番の222Dは、恒例の霧との戦いに敗れたが、急行色が差し変わらず流れていることは確認できた。折り返しの227D、今回はリスク無く確実に間に合う俯瞰2発で手堅く抑えることにした。

 1発目の俯瞰場所を無難に撮り終え、山を駆け降り麒麟を目指す。何回か実行している行程であっても、急行色となれば緊張感は桁違い。焦る気持ちを抑え、着実に立ち位置を目指す。

 新緑と残雪の飯豊、紅葉と初雪の山々、あたり一面の雪景色。何度も訪れ、それぞれの時期を一通り揃えた撮影地だったが、この日は残念ながら雪山も紅葉もない季節的には半端な時期。冬枯れでは無いながらも、立ち位置に着いた時は多少の物足りなさすらも感じた。

 待つこと約20分、急行色2両の美しい編成が切り位置に差し掛かる。当初の物足りなさが一瞬で消えるような、大きな感動を味うことができた。