キハ40系 No.021
「雪景色の只見線」 只見第四橋梁俯瞰

只見線 会津中川〜会津水沼

 有名なアーチ橋から渡らずの眼鏡橋まで、様々な形の橋を何度も渡る只見線。その中でも第四橋梁は落ち着いた色の上トラスが特徴的で、メインの被写体を際立たせてくれるお気に入りの場所だった。春から秋まで広葉樹が鮮やかで非常に綺麗な色を見せてくれる場所だが、冬もまた、一面モノクロの絶景を見せてくれる。

 線路脇の積雪がまだ少ない12月初旬。前夜からの雪予報を見て会津を目指し、夜明け前の川口で編成を確認する。ラッピングキハが走り去っていく様を車の中より横目で流し、雪が完全に止んだことを確認してから急いで立ち位置となる森の中を目指す。 まだ膝よりも低い、積もりたての新雪を踏みしめながら現地に着き、想像以上の絶景に息を呑む。

 真っ白になる前の淡い雪山。待ち望んでいた条件を独り占めしながら縦構図一本で待ち構える。再び雪が降りだす気配も、晴れ間が覗いてしまう気配も無い。平穏な無音の時間が過ぎていく。

 時間を忘れた頃、山間にタイフォンが響き渡り、鮮やかな緑色がゆっくりと橋を渡っていく。