番外編 No.016
「葡萄畑を往く189系あずさ色」 ぶどうの丘俯瞰

中央本線 塩山〜勝沼ぶどう郷

 ワインの産地として有名な甲州市勝沼。隣の山梨市を含め、付近の扇状地一帯は果樹園が多く広がり、桃や葡萄、さくらんぼ等の棚が肩を並べている。

 駅名の通り勝沼ぶどう郷駅周辺は葡萄畑が多く、秋になると紅葉のように色付き、鮮やかな農園風景を作り出してくれる。季節モノとして一つ隣の甲斐大和の紅葉は注目されていたが、こちらはさほど話題にもならず、天気がいい休日でも他の撮影者を見かけることが珍しいほどだった。

 この日は秋の山スカを目当てに中央線沿線へ出かけていた。朝から四方津や甲斐大和周辺の定番場所で紅葉を撮影し、午後はぶどうの丘俯瞰へと向かう。この場所でも山スカをメインのつもりでいたが、合間に偶然やってきた189系の回送列車のほうが色も目立ち、気に入る結果となった。

 かつての中央特急を彷彿させるあずさ色の189系。秋色真っ盛りの葡萄畑の中で、少しだけ一昔前の甲斐の日常を見ることができた。