番外編 No.013
「入道雲と413系交検回送」 市振俯瞰

あいの風とやま鉄道線 越中宮崎〜市振     

 いすみ鉄道のキハ52に続き、奇跡の復活を遂げた475系。一部は413系だが、それでも交流標準色を纏った3両編成は日本海側のローカル被写体としては文句無しで、本業亡き今の週末天気チェック項目として、妙高地区は重要ポイントとなっている。

 乗る区間としては最高ながら、いまいち撮影地に乏しい直江津以西。日本海縦貫線の名撮影地として広く知られる市振俯瞰も、あと少しのところで折り返してしまうため、定期では通らない。

 そんな市振俯瞰で撮れるチャンスも、年に数回は訪れる。一つは富山方面への臨時列車、そしてもう一つが今回の検査回送になる。ロケーションを考えれば、多少は日が高くても夏場に撮りたい撮影地。その時期の運転かつ晴れそうな日がなかなか訪れなかったが、ついにそのチャンスが訪れた。

 前日時点では、午前10時までは快晴、それ以降は曇り、午後から雨という、常人ならまず行かない選択をするであろう怪しい予報だった。 終日晴れ予報の日ほどヤラレ雲が落ち、午後から雨予報の日ほど意外と晴れると言われる市振界隈(諸説あり)。この予報なら運試しする価値があるだろうと考え、日本海側を目指した。

 通過1時間前に現地に到着。同業は誰もいない様子で、太陽周りの空は落ち着いた快晴。やや海側には怪しい雲があったものの、逆に絵になりそうな雰囲気だったので、このままなら好都合という感じだった。

 カメラ2台を構え、構図違いでそれぞれセット。段々と成長していく入道雲を追いながら構図を微調整していく。太陽周りの天気のことは忘れたまま、通過時刻を迎えた。

 すっかり山側のイメージのほうが強くなってきた交流標準色。夏空広がる日本海を背に、本来のあるべき姿を再び思い出させてくれた。