番外編 No.011
「只見線復旧記念列車試運転」 只見第八橋梁俯瞰

只見線 会津塩沢〜会津蒲生

 2011年、東北地方の中でも震災の影響が少なかった会津地区。只見線もほとんど被害は無く、すぐに日常を取り戻した。しかしそのわずか4ヶ月後、豪雨によって上流のダムが限界値を突破。濁流により只見線の橋梁はいくつも流され、路線は東西に分断されてしまった。

 復旧まで3年程かかってしまうだろうかという不安は悪い方向に裏切られ、費用負担の問題が妥結しないまま長い時間が過ぎていった。やっと諸問題が解決し、復旧工事が始まった頃には東日本のボロキハ置き換え計画も現実的なものになっていて、結果的に再びキハ40が走る姿を見ることは叶わなかった。

 DE10+旧客。誰もが願っていた夢の列車が復旧記念号として、2日間の試運転付きで走ると聞いた時は心が踊った。満足な結果が得られなかった本名集落、全通40周年記念号で曇られた第八橋梁定番、全く変わらない大塩の田園、撮りたいアングルは数えきれないほどあり、当日が楽しみで仕方なかった。

 やはり今回の目玉は、不通区間イチのハイライトである第八橋梁周辺だろう。お手軽な地上から一等賞大俯瞰まで様々なアングルが存在する当場所だが、やはり前回のリベンジを果たしたい気持ちが勝り、今回はお手軽なお立ち台で撮ることにした。

 鉄橋前後は真新しいコンクリートの築堤になってしまったが、それでも大半は当時のままの風景を残してくれた。11年前を懐かしみながら、あの時に悔しくも出来なかった空を入れた構図で待ち構える。週間予報では天候が危ぶまれていた試運転。皮肉にも遥か南に発生した台風の影響によって、結果的には二日間共に終日晴れとなった。

 復活を喜ぶと共に、来年以降もまた、同じ編成が只見まで走ることに期待したい。