番外編 No.008
「谷川岳とEF64-37単機回送」 上牧俯瞰

上越線 上牧〜後閑     

 秋田に入場したEF64-37が原色白Hゴムの姿で戻ってくる。

 そう聞いた時、まず思い描いたのは上越線奥利根スジでの復路シーンだった。マークなしの64原色白Hと12系6両を順光で撮れたらどれほど美しいだろうか。特に、客レ牽引で考えると39号機以来の白H。当時、撮ることが叶わずに終わってしまった12系とのリベンジマッチに期待し、出場の時を待った。

 だが結果から言えば、マーク無しの姿で12系は牽いてくれないまま引退を迎えてしまった。本気で同形式を追っている身内の写真はひたすら感動の一言だったが、土日休みでキハ40メインの自分にとって、工臨仕業はなかなか難易度の高い相手。結局、数えるほどしか撮りに行けなかった。

 この日の37号機は短チキが連なる新津工臨を夜通し牽いた後、折り返しで日中に浦佐までチキ2両を連れ、最後に高崎まで単機で帰る運用。ちょうど午後に12系の客車回送も設定されていたことから、有休を取得して撮りに出かけた。

 まずは緑架線柱下でのチキ牽引シーンをおさえ、追いかける形で南下する。個人的に今回のメインは思い入れのある上越線高崎口での走行シーン。それも雲一つない快晴となれば、行先は迷うことがなかった。

 湘南色115系の6連運用以来の訪問となった同場所。谷川岳がくっきりと出ていることを確認し、足早に斜面を駆け上がる。夏光線で肝心の白Hが目立たなくなってしまったが、いつかこの場所で撮りたいと思っていた願いを叶えることができた。