番外編 No.007
「眼鏡橋を渡る遠野工臨」 岩根橋俯瞰

北上線 岩根橋〜宮守

 ロンチキほどの迫力は無いが、本線での長編成からローカル線での短編成まで、様々なシーンを展開してくれる短チキ。中には数年に一度しか行われない、珍しい場所での卸し行程となってることもあり、シーズン中はメイン被写体の片手間とは言え、なかなか目が離せない存在だった。

 東日本の短チキも余命残りわずかとなった年、発送先に遠野の文字が出た。走行は日中、時期も緑がある素晴らしいタイミング。早速休みを申請し、晴れを祈って当日を待ち望んだ。

 当日の新幹線でも余裕で間に合うスジだったが、本業を忘れてはならない。前日夜のうちには秋田へ入り、五能線で朝練を行う。朝の通学列車1本だけ撮影し、そこから約200kmの移動というアホ行程を経て、通過30分前には岩根橋を見下ろす道路沿いの斜面へと辿り着いた。

 ちょうど写真に写り込む位置に道路脇の休憩所があるこの場所。通過まであと10分に迫った時、駐車して積荷の整理を始めるトラックが現れるというハプニングもあったが、幸いにも我々の願いが届いたのか通過の直前には走り去ってくれた。

 程なくしてDE10の汽笛が聞こえ、独特のジョイント音が聞こえて来る。ちょうど編成全体が眼鏡橋に載った所で、そっとシャッターをおろした。