番外編 No.001
「榛名山とEF58奥利根号」 大正橋インカーブ

上越線 渋川〜敷島     

 撮影日記の番外編。第1回目は撮鉄界最人気であり、自身も最も好きな車両のEF58-61から。

 普通の編成写真で、ここまでカッコよく写せる車両は他にないのではないか。そう感じるほど魅力的な車両。熱狂的なファンが無数にいるのも納得の美しさ。まだ現役で走っていれば、このサイトも本編の内容が変わっていたかもしれない。「ゴハチといえばキハ58」、「機関車といえばDD51」と言った方が、本人のキャラ的には通りそうなところであるが、残念ながらそうもいかないのが本音である。

 自身が撮り鉄を始めた頃には既に1号編成を使ったお召し列車の運転はなく、EF58-89などの他のカマも東に残っておらず、「東のEF58といえば61号機、団臨中心のイベント用機関車」という位置付けだった。そんな出遅れな中でも撮影機会に恵まれ、結果を残せたのが今回の題目であるEF58奥利根号であった。

 運転機会が非常に多く、晴れればほぼ必ず順光で撮れる碓氷号は残念ながら必ずPP運転。SL継承前のEL&SL奥利根号で走る午前の高崎線は全区間逆光。どうもせっかく走ってくれても満足できないことが多い中、上野から水上まで全区間通しで走ってくれたのがこの列車だった。 運転は夏真っ盛りの土日二日間。当時は土曜は学校だった学生には好都合な夏休み期間中の運転であった。

 まず初日は絶対に撮りたかった大正橋手前のインカーブへと向かう。今でこそ立ち入りが制限されたこの場所だが、当時はお咎め無し。当日は足場の悪い斜面をガン無視して脚立が乱立するほどの混雑ぶりだった。まだ免許を持っていなかったので始発列車で現地へ向かう。幸いにも優しい方々に隙間へ入れてもらえた。

 無事に好みの位置を確保し、炎天下で待つこと数時間。大正橋名物、10時過ぎからのヤラレ雲も湧くことなく、通過時まで晴天を維持。榛名山をバックに、夏光線を存分に浴びながら、HMの無い美しい編成が駆け抜けていった。

 忘れられない、一生の思い出。