キハ40系 No.073
「渓紅葉の末沢川と只見線」 末沢土崩俯瞰

只見線 田子倉〜大白川

 国内でも有数の、紅葉が綺麗な路線として名高い只見線。特にブナの原生林が広がる県境付近は紅葉のピークを迎えると山全体が真っ赤に染まり、これぞ人里離れた秘境と呼ぶに相応しい絶景を見せてくれる。

 例年、紅葉のピーク時は天気に関係なく俯瞰ラッシュの一日になることが多かった。しかしそれでも撮りたいアングルが多すぎた故、満足に回りきれたとは言えない。天候や車両の運用、紅葉の進み具合を照らし合わせながら優先度の高い場所から回っているつもりでも、落ち着いて振り返ると後悔の念に駆られる。

 アングルの宝庫である大白川界隈だが、列車本数の少なさや磐西と掛け持ち困難という条件等により後回しになってしまうことが多かった。特にラッピング車両出現後は実質的に2日に1回しか自由に場所を選択できるチャンスが無く、小出側先頭の撮影地をメインとするなれば1日使う覚悟を決めないとなかなか足が向かない地域でもあった。

 この日は雨予報。普段なら俯瞰どころか撮影自体行かない選択肢もあり得る天候だが、小雨こそ紅葉の色が最も映える条件と自分に言い聞かせ、小出口へと向かった。雨が強ければ地上戦に切り替えるつもりだったが、現地に着いて夜が明けてみれば視界も良好な曇り空。山霧に飲まれるリスクはあるが、さっそく1つ目の山に取り付いた。

 只見行を撮ったら急いで下山し、折り返しの小出行に備えてすぐ別の山に登る。むしろこちらが本命なのに間に合わなかったでは笑えない。行く手を阻む雨に濡れたユキツバキに苦労しながら体を進め、田子倉駅を通過したであろう時刻にアングルへ辿り着く。三脚にカメラを2台セットできて初めて、やっと呼吸を整えることが出来た。

 真っ赤に染まる山肌と、まっすぐ伸びる1本の線路。飾り気のない新潟色が負けない主張をしてくれた。