キハ40系 No.059
「盛夏の阿賀野川と磐越西線」 実川島俯瞰

磐越西線 日出谷〜豊実

 飯豊山から湧き出た水が集まり、阿賀野川に合流するまでの20km程度。実川と呼ばれる小川の上流には重要文化財の五十嵐家住宅があり、合流直前には磐越西線の鉄橋がある。実川島と呼ばれるこの界隈も俯瞰撮影地が点在し、時間帯によって登り分けて楽しむことができた。

 午前早くの時間帯が順光となる東側の立ち位置からは、眼下に実川島橋、左に阿賀野川、そして奥には前山俯瞰へのアプローチ稜線を見ることができる。ちょうど真正面の山頂からやや南側に下った辺りからも実川島界隈の線路を逆アングルとして撮れるので、列車を待つ時間には望遠レンズを使って立ち位置を探す遊びも可能だろう。

 盛夏のある日、急行色狙いでアングルを訪れたが、差し変わったらしく白キハが来た。その時は落胆していたが、白キハでも目立っていいと諦めをつける。しかし冷静に考えれば、せっかく朝の低い光線で撮れる場所、つまり昼間は色が出にくいタラコを狙うのに最適な場所ではないかと思い直し、別日に再び訪れてみた。

 朝から蝉の鳴き声が鳴り響く。撮り逃さないようにファインダーを注視していると、今回は予定通りにタラコ色のキハがやってきてくれた。