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「新秋の噴火湾と函館本線」 落部見下ろし |
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函館本線 野田生〜落部 |
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新千歳空港に降り立ち、東西南北どこへ行っても被写体がある。そんなキハ40天国だった北海道だったが、意外にも早く終わりは訪れた。路線の廃止は次々と起こりつつも、北海道色キハは日本国内でも最後まで生き残るカラーリングだろうと呑気に考えていたが、経営改善を目的とした国からの補助金という想像もしていなかった要因により恐ろしい速度で淘汰は始まり、あっという間に道北、道東から姿を消してしまった。
道内最後の砦となった函館地区。タイフォン付のキハが最後まで活躍していたことや某ハンバーガー屋に行きたいという理由でお気に入りの地域ではあったが、他路線のローケーションと比べてしまうと、結局は違う地域へ向かってしまうことが多かった。
函館地区の名所と言えば大沼と駒ヶ岳、そして噴火湾だろう。ブルトレ街道として賑わっていた頃から注目されていた落部界隈だが、あまり目を向けられていなかった長万部側を向くと、海沿いを行く列車を朝から順光で狙うことができる。
最後の置き換え計画が決まり、函館地区でもキハ40に混じって箱キハが走り始めた頃、幌の取付方向が変わったとの知らせを受けた。落部界隈はもう訪れることがないだろうと思っていたが、幌付のかっこいい顔で撮りたいという思いが強まり、いさ鉄急行色のついでという名目を掲げて渡道することにした。
土曜朝の新幹線で函館入りし、昼の急行色運用を狙う。目をつけていた新アングル?も無事に撮れたので午後はグルメに徹し、日没後に再び撮りまわった後、初日は終了となった。
翌朝、従来なら信じられないような遅めの起床で落部界隈へと向かう。狙い通りに山の稜線が出ていることを確認し、定番場所へ。もう側面の光が弱い時間しかスジが残っていないので、正面がちになる位置に三脚を立てた。
大平山や長万部岳の辺りだろうか。狩場山から黒松内のあたりまで連なる山地が背景となり、右手には大きく穏やかな湾が広がる。長く細々と撮り続けたJR北海道のキハ40。これが最後のお見送りカットとなった。 |
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