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富山から岐阜まで、ほぼ全区間に渡って川沿いを走る高山本線。ちょうど久々野駅のあたりを境に北側は宮川、南側は飛騨川に沿って線路が敷かれている好ロケーションではあったが、あまり俯瞰撮影地の新規開拓が進まないまま、早々にお別れとなってしまった路線だった。
そんな高山本線の中で最も有名な俯瞰撮影地、飛水峡俯瞰。特徴的な渓谷沿いを行く姿を撮影できるだけでなく、冬場以外は水面まで日が当たり、アクセスも容易という最高の場所。結局、訪れたのは一回だけになってしまったが、新緑が美しい時期にも訪れるべきだったと反省している。
夏光線も終わり、朝晩の涼しさが目立ってきた秋の初めの日。夏光線も収まった時期かつベタベタの順光よりも少しサイド光のほうが渓谷の岩の立体感が出るだろうという考えのもと、山影が抜けていそうな時間帯を狙ってダメ元で鉄塔下へと向かった。
いくら初秋とは言えど、だいぶ日が昇った時間だったこともあり、懸念していた影は綺麗に抜けていた。このままここで撮ることに決め、三脚を立てる。最悪の場合はすぐに撤収して別の場所に行くことも考えていたので、だいぶ待ち時間がある。しばし鉄塔と青空を見上げながら、ゆっくりとした時間を過ごすことができた。
川の音だけが聞こえてくる静かな山間。深い緑に包まれた渓谷沿いを白キハが通り過ぎた。 |
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