キハ40系 No.033
「奥只見の山々と只見線」 入広瀬電波塔俯瞰

只見線 上条〜入広瀬

 線路からだいぶ離れた、山奥にひっそりとある電波塔。その袂からは、奥只見に聳える尖った山々を背景に、入広瀬の街並みと田園風景の中を行く列車を一纏めに写すことができる。

 ハーブ園俯瞰で先述した直線から、更に東側の踏切を超えたカーブのあたりまでが切り位置となるため、夏場の早朝しか列車に光が当たらないことがやや難点な場所。それでも初夏にはガラスのような水田の中に白く車体が浮かび上がり、格別の鉄道風景を作り出してくれた。

 この日は午前便が青青。湿度も低く、条件的に空の青さも出そうな日だったので、日の出と共に迷わずアングルへ直行する。折り返しはどこで撮ろうか、その後はどこに登ろうか、そんなことを考えながら縦と横の構図をそれぞれ作り、小出からの回送列車を待った。

 トンネルを越えた列車が大カーブを越え、静かに直線区間へ差し掛かる。まずは横構図のカメラを切り、縦構図のカメラに視点を移す。踏切を越え、朝日を反射させながら最後のカーブに差し掛かる。わずかに写った車体が水田の中心に来た位置で、本命のシャッターを切った。