キハ40系 No.018
「厳冬期の五能線」 深浦赤岩俯瞰

五能線 深浦〜広戸

 冬の五能線といえば、雪晴れよりもどんよりとした鉛色の空のほうがイメージに合う。しかし青森県とはいえども海沿い区間は積もる雪が降りづらく、雪景色の海岸風景で撮れる機会は意外と少ない。

 五能線の撮影地といえば深浦の赤岩が有名だが、そこから少し離れた場所より海岸線を見下ろすことができる。普段はコンクリートが大きく写ってしまうやや難ありの場所だが、積雪のある時期はそれが目立たなくなるので非常に好都合だった。

 この日は前夜からの雪で一面真っ白。日中になっても降ったり止んだりを繰り返す、典型的な冬の天気だった。

 朝のブルーモーメントから始め、数ヶ所回ってからすぐに小高い丘を目指す。足を取られながらのツボ足で30分程度、目的地に到着した。息をするのも苦労するほどの強風に吹きさらされながら、列車を待つ。

 遠くの水平線が霞んで消え、雪雲が迫る。あと数分で完全ホワイトアウトというギリギリのタイミングで列車が来た。 荒れ狂う日本海を横に、列車は定時で走り抜ける。