キハ40系 No.016
「収穫期の津軽線」 大川平岩木山神社俯瞰

津軽線 大川平〜今別

 津軽線随一の撮影地といえば大川平の岩木山神社俯瞰だろうか。北海道俯瞰と呼ぶ人も多いこの場所、津軽海峡を挟んだ対岸の知内丸山を背景に写すため、晴れていても海霧にやられたり稜線が雲に隠れたりと条件が整わないことが多く、なかなか難易度が高めの場所だった。

 しかし海を背にした田園風景は非常に美しく、水田、黄金の稲穂、雪原と、どの季節でも撮り甲斐のある風景を見せてくれる。特に稲刈りの時期になると、杭掛けとよばれる北東北特有の稲干しが至る所に立ち並び、構図内にバッチリ写せるちょうど良い位置にも広げられていた。

 この日は午前はタラタラ、午後は白白のコンビがそれぞれ入っており、終日秋晴れという絶好の条件だった。既にタラコでも撮れていた風景だったが、秋の俯瞰はタラコよりも白キハのほうが車両が目立つ。あまり聞かない話だが、タラコで撮り終えた風景を白で撮り直すという、非常に物好きな行動で再び同場所に立った。

 順光時間を過ぎ、低くなった光線で杭掛けが浮かび上がる。収穫真っ盛りの田園地帯を五能色のキハが走り抜ける。