キハ40系 No.014
「雪明りの磐越西線」 大谷川橋梁俯瞰

磐越西線 山都〜荻野

 夜から朝にかけてしんしんと降り積もった雪が止み、白く霞んでいた視界が開け、あたり一面は銀世界に包まれる。夜明けの雪明りでほの明るくなった朝は神々しさをも感じる光景である。

 しかしこの光景は条件が限られ、簡単には見られない。ある程度の降雪量が必要であるが、風が強ければ枝に着いた雪はすぐ飛んで消えてしまう。温度や湿度、風向きのそれぞれがどの程度か、各地の予報を見比べては、今週末は何処へ向かうか悩むことが雪の撮影の風物詩だった。

 この日は前夜から新潟地区で雪が降り続く予報なので磐越西線へ。暗いうちから一通り沿線の着雪状況を目視で確認し、撮影場所の候補を絞っておく。津川停泊を覗くと青青コンビだったので、今回はできるだけ会津側で狙うことにした。空が明るくなるとともに雪が降り止んだため、朝一発目は深山川の俯瞰に決めた。

 立ち位置に到着し、線路側を見下ろすと木々は真っ白に染まっていた。少し風が吹いていたようで着雪に片寄りはあるが、それでも満足の景色。雰囲気を重視し、普段より少し左に振って集落が入った構図で始発を待つ。

 遠くから籠ったジョイント音が近づく。その音が一際大きくなった瞬間にシャッターを切った。