キハ40系 No.003
「桜咲く向鹿瀬集落と磐越西線」 深戸橋梁俯瞰

磐越西線 日出谷〜鹿瀬

 磐越西線沿線は桜の撮影地も多く、かなりの区間を山々に囲まれているため、他の路線に比べると桜並木を俯瞰できる撮影地も多い。 桜並木の中を通る列車を撮るのが定石であるが、個人的には広く撮った画角の一部に桜が映り込むことで、さりげなく季節を感じ取れる写真も好みである。

 そんな情景を見ることができたのが、鹿瀬小学校脇の桜並木と写せる深戸橋梁俯瞰だった。 四方を山に囲まれているため、真西を除いたらどの方向からも見下ろすことができ、地上のアングルを含めたらほぼ360度どこからでも撮ることができる深戸橋梁。その中でも、1番有名な県道からも見渡せる北東側。定番構図で車体に光が当たるのは夕方。ちょうどその頃になると、斜光に光る半逆光の桜とあわせて写すことができるので好都合な場所であった。

 しかし、満足に桜が咲かない年が多い沿線だけに一発では決まらなかった。せっかく綺麗に咲いた年でも夕暮れ時になって太陽の元気が無くなったり、肝心の晴れの日にキハの色が揃っていなかったり。簡単なはずの課題になかなか苦労させられた。

 そして狙い始めてから何年目かの春、やっとチャンスが訪れた。鳥害もなく無事に満開を迎えた日に終日快晴予報という好条件。そんな日、日中の若松往復運用に青青が入った。

 影になる部分が多い風景でも主張する桜並木。蛇行する阿賀野川に、白い車体が輝いた。