キハ40系 No.002
「残雪の飯豊山と磐越西線」 鳥屋山俯瞰

磐越西線 荻野〜尾登

 キハを撮るなら、色の揃ってることが必須条件。これは身内間で暗黙の了解のごとく浸透した共通認識であった。編成が揃っているなら自由なアングルで狙えるが、色がバラバラなら正面0角度で撮れる場所の中から選ぶことになり、行ける場所がかなり制限される。

 しかしそんな中でも、世間一般的にはネタとして歓迎されていた組み合わせがある。それがタラ急だった。それこそ米坂ではゴールデンコンビなんて名前が付いていたように、国鉄色同士の混色ならOKとのことだった。

 昔から当然のように見られた光景だからなのか、あまりイベントでも走らない組み合わせだからなのか。理由は人によって違うだろうが、定期列車で急行色やタラコ単体が走ってる時以上に、撮影者を見る気がした。

 自身としては、所詮は混色とばかりに最初は後ろが目立たないよう正面がちに狙っていた。
だが、周りの状況をしばらく見ているうちに撮っておいたほうがいいような気がし始めた。ようは流されたわけである。

 この年は通常運用でのタラ急コンビが発生し、しかも数ヶ月間バラけず続くという非常に珍しいことが起きていた。時期としては桜満開〜雪山&新緑の一番いい頃。そしてこの日は快晴予報で222.227Dに例の編成が入る予定。224Dは青青とアングルの制限がほぼ無い当たり日だった。

 当日は当たり前のように朝から霧が出ていたので、朝一番の只見キハは地上、222Dは霧が晴れてきたので定番俯瞰で軽くおさえ、霧が消滅する見込みも立った頃にメインの鳥屋山へ向かった。飯豊山もくっきりなので、青青狙いというだけでも条件は充分に良い。

 さくさくっと登山道を登ってアングルに着くと十数人が既に待機していた。さすがタラ急パワーと驚きながら隙間を探してゲバを据える。今回は縦だけでなく、広い横構図も併せて撮った。

 224Dと227Dの2列車ともに、山頂に雲が湧くこともなく平和に撮り終えた。結果、見比べてみると白キハよりもタラ急のほうが目立っていて良い。もちろんタラタラや急急には適わないものの、タラ急も場合によっては悪くないと思い直す結果となった。食わず嫌いは良く無い。